令和4年度

2021年11月の記事一覧

プロセスを求める

弓道の世界では、結果を出すために必要なこと、それはプロセスを大切にすること、とされています。矢を放す前に「当たるだろうか」といった迷いは禁物。的に当たる結果よりもむしろ、矢を放ち終わるまでのプロセスを正しく行うことが大切であり、また、正しく射られた矢は必ず的に当たります。そういえば、元大リーガーのイチロー選手は、試合のある日は、朝起きてから球場入りするまでに行うこと、加えて、試合前のアップから試合中の打席に向かうまでの動作等をすべて決めており、毎回その繰り返しをしたそうです。まさに正射必中(せいしゃひっちゅう)の考えを実践され、偉大な記録を残されたわけです。生徒の皆さんも、日常生活の中で何か自分のプロセスを決め、その実践を継続してみませんか。

11月22日(月) 川俣高等学校長

やるしかない

生徒の皆さんは課題等の提出期限が迫ると、やるしかない、と心に言い聞かせて取り組むはずです。この「やるしかない状態」は本気度を上げてくれることから、人がうまく事を運べる環境作りに貢献してくれます。一方で、何もすることがないときは一見すると楽にも思えますが、実はこの瞬間に無が襲ってきます。世界の美しい色をすべて取り去ってしまうほどの心の無、この影響は大きく、これまでに苦労して備えた向上心、やる気を奪い去ってしまいます。こうした虚無感を感じることのないよう、何かに意欲的に取り組むとともに、こうした取組みができる自分は幸せである、と常に感じていたいものです。

11月19日(金) 川俣高等学校長

幸福な知性

知性的であることの大切さについては、本HPでも複数回触れていますが、ドストエフスキー著「カラマーゾフの兄弟」に出てくる次男イヴァン・カラマーゾフのように、彼の持つ知性のために生きる意味を見出せなくなるなど、知性が不幸を導くことも稀にあります。せっかくの知性であれば、幸せになるために使いたいものです。幸福な知性、それを身に着けるにはどうすればよいか。その一つとして、様々な知識やニュースに触れ、耳を傾け、物事を広い視野により見ることができるよう心がけることが重要です。そういえば、取り組む学問分野を一つに絞り込んだとしても、何年経っても、その奥深さに驚かされます。ましてや、学問分野は数えきれないほど多岐に渡ります。楽しいと思うものや面白いと感じるもの、それらを少しでも深く知りたいという純粋な思いの下、学習・研究に没頭しているうちに歳を取る、これこそ幸福な知性獲得の理想の姿かもしれません。

11月18日(木) 川俣高等学校長

足元の追求

今、自分の置かれている環境を息苦しく感じることは誰にでもあります。でも、今、自分が踏みしめている地面(自分がいる環境)、その下には必ず泉(無限の可能性)があります。競技の世界で言えば、その泉を探し当てた人がトップアスリートとなります。一人では泉を探すことができなくても、良きコーチの指導の下、見つけ出すこともできます。さて、生徒の皆さんの場合、良きコーチに当たるのは先生方です。良きアドバイスを受けることで、自分の足元にある、生徒の皆さんだけの泉を必ず探し当ててください。

11月17日(水) 川俣高等学校長

順風満帆という言葉に代表されるように、人生は風と帆の関係に例えられます。でも、順風であれ、また逆風であれ、風さえあれば帆をあげることができます。ケガをして競技ができなくなった選手が逆風と感じていたその時期に、それでも復活を信じて地道なトレーニングに取り組み、後に競技に復帰した際に活躍できた事例は多くあります。要は、少しの風であっても、自分を信じ、帆をあげる勇気を持つことが大切です。すべての場面で帆をあげる必要はありません。本田宗一郎氏は、「得手に帆をあげよ」と話されました。まずは得意な分野で力を伸ばせ、という意味と理解しています。生徒の皆さんも、自分の得意とする分野で、高々と帆をあげてみませんか。

11月16日(火) 川俣高等学校長