令和4年度

2021年5月の記事一覧

五月晴れ

今日はまさに五月晴れです。もともとは梅雨の晴れ間を意味していたとされるこの言葉は、今では、4月後半から5月にかけての晴天を指すようになりました。同じ言葉であっても、その意味する内容は時代とともに変化します。そして、その時代を形作るのは、その時を生きる人の意思です。これからの時代をより良きものとするよう、生徒の皆さんに大いに期待します。

5月31日(月) 川俣高等学校長

発 明

今の私たちの生活はその多くを、先人の発明によって支えられています。発明に至るまでには、数えきれないほどの失敗を繰り返したものと思います。発明王と称されるエジソンでも、1個の電球を発明するのに5千回の失敗をした、とされています。とはいえ、彼がその失敗について問われると、「私は、5千通りの、うまくいかない方法を発明したのだ。」と言い返したそうですが。

さて、私たちの周囲にあるものを、じっくりと眺めてみてください。その一つひとつから、先人の残した、その発明に係る思いを感じ取ることができるかもしれません。

5月27日(木) 川俣高等学校長

感 謝

自分でしようとしていることがうまくいかず、イライラすることは誰にでもあります。川高生の皆さんは、その気持ちを、たとえば、試合中であればチームメイトに、また、日常生活であれば保護者の方に向けたりしてはいませんか。そうする前に、してほしいことがあります。試合に臨むことができたのはどうしてか、また、日常生活を送ることができているのはなぜか、ということを考えてほしいのです。自ずと、癇癪(かんしゃく)の気持ちから、「く」の字が取れて、「感謝(かんしゃ)」の気持ちに変わります。

5月26日(水) 川俣高等学校長

発想の転換

キャッシュレスの時代において、カードの存在は日に日に高まっています。あるカード会社の社長さんは、次のように話しています(「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より 一部抜粋 一部改訂)。

「一枚でも多くカードを獲得するにはどうすればいいか、と何につけても考えます。割引が付いているとか、ポイントに有効期限がない、といった要素が、お客様から見たお得な印象です。自分ならサインレスがいいな、と思いました。サインをするのが業界の常識。サインレス導入にあたり、弁護士からも「何を考えているんですか。」と言われましたが、お客様の利便性が図れるなら、それを阻止する規定や固定概念はすぐに壊してしまったほうがいい、と譲りませんでした。」

この話は、他者(他社)とは異なる点に着目することこそ大切であり、「目の前の非常識、将来の常識」という考え方を表しているんでしょうね。

5月25日(火) 川俣高等学校長

いつもと違う光景

目の前にあるものを常に正面からのみ見れば、その光景は常に同じです。たとえば、川高生の皆さんは、毎日登校して校門を抜けると、そこには南校舎が見えますね。両側に多くの花が植えられたプランターが置かれている、その階段の上には正面玄関があり、また、2階や3階には、自分のクラスの窓やベランダも見えます。でも、真東側から校舎を見ればどうでしょうか。真西側や真上からの光景もまた、正面からのそれとは異なります。多くの人が通る道の上のみを歩くと、真新しい発見はありません。一方で、誰も立ち寄ることのない場所にも、何かがあります。これは、ビジネスに関わる人が大切にしている考え方です。「人の行く裏に道あり花の山」です。

5月24日(月) 川俣高等学校長

次の一手

将棋の世界では、手詰まりになったときに、最も端にある歩を進めることがあるのだそうです。これを「手詰まりにはし(端)歩をつく」と言います。しかし、その一手から、これまで拮抗していた局面が一気に、自分にとって不利に展開する場合があります。棋士の中には、「最もよい選択としてはし(端)歩をさすのではなく、相手の出方を探るための、とりあえずのはし(端)歩は、相手に付け入るスキを与えるだけの愚手」と指摘する人もいます。勝負には、一息つく瞬間もない厳しい一面があることを再認識させられます。

5月21日(金) 川俣高等学校長

進路を決めるのは生徒の皆さん自身であっても、そこにたどり着くまでの保護者の皆さんや先生方、多くの友人による協力や支援があってこそ、その達成は図られます。だから、進路決定はチーム力による、とよく言われます。チーム力を発揮するには、チームワークを欠かすことはできません。言い換えれば、チームの和です。そういえば、ワカメやネギなどに味噌や酢、ゴマなどをまぜることで料理の風味は格段に高まりますが、これを「和(あ)えもの」と呼ぶのは、こうした由来からだと思います。「今日は楽しい一日だったなぁ。」と感じるのは、もしかしたら、「うまく和(あ)えることができた日」だったからかもしれませんね。

5月20日(木) 川俣高等学校長

ものの見方は人により

同じものを見ても、人の感じ方や思いは異なりますよね。俳句に関わる人の場合には、その感覚が一層顕著だそうです。川高生の皆さんは、テレビに出ている、俳人の夏井いつきさんを知っていますか。夏井さんが「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」の中で、次のように話をされています(一部抜粋 一部改訂)。

俳人の世界では生憎(あいにく)という言葉はありません。「きょうは生憎の雨で桜を見ることはできない」という一般的な感覚は、俳人にすれば、「これで雨の桜の句を詠める」と考えます。雲に隠れて仲秋(ちゅうしゅう)の名月が見えないときには「無月を楽しむ」、雨が降ったら「雨月を楽しむ」と捉えます。

なんとも前向きな考え方だとは思いませんか。夏井さんは、これまでマイナス思考であっても、俳句に出会うことで生き生きとした人生を送るようになった人もいる、とも述べています。

5月19日(水) 川俣高等学校長

新緑の季節

ふと窓の外の山並みに目を向けると、木々の強い緑色が目立つ季節となりました。まさに新緑の季節の到来です。

そういえば、(私だけかもしれませんが)通常5月に使うものと思っていた新緑という表現は、3月頃から6月頃にかけても使うのだそうです。ちなみに、新緑は初夏の季語です。

冬に枯れたかのように見えた木々は、この季節に葉を茂らすべく、着々と準備をしているんですね。自然の持つ奥深さに感心させられます。

 

5月18日(火) 川俣高等学校長

eネット安心講座

SNS等を安全・安心に有効活用できるよう、5月14日(金)に、本校ではeネット安心講座を開きました。本来であれば、講師の方を本校にお招きし実施するところですが、新型コロナウイルスに係る現状を考慮し、講師である武田幸彦氏のティーガイヤ東北支店(仙台)と本校各教室、校長室をオンラインでつなぎ、職員室には先生方が見ることのできるスクリーンを設置するなど工夫して行いました。警察に寄せられる、インターネット等をとおした誹謗中傷トラブルの相談件数は、平成27年以降、全国で毎年1万件以上あります。その増加要因の一つには、匿名性であることがよくあげられますが、名前の特定等はできるなど、匿名性は全く当てはまらない旨、話がなされました。また、こうしたトラブルに巻き込まれることのないよう、事前に行うべき予防策等の講義をいただくなど、今後の参考となる講座となりました。株式会社ティーガイヤは、ネット依存やネットいじめ、なりすましやネット詐欺など、今日の社会にある危険の実態周知を図り、トラブルの未然防止に努める「Eネットキャラバン」に取り組まれています。今後とも御指導や御助言等いただければ幸いです。

5月17日(月) 川俣高等学校長

本を手にして

川高生の皆さんは、月にどの程度、本を読みますか。

読者からは多くの知識を得ることができ、そのことにより間違いなく、私たちの生き方は豊かなものになります。

でも、本を手には取るものの、なかなか読み始める決心がつきにくい場合もあります。

こうした際には、じっくりとタイトルをながめてください。じっくりと本に付いている帯を見てみてください。

限られた言葉ではあるけれど、そこには、本の内容を強く意識した筆者の思いが込められています。

これから読み見始める本が、遠い存在ではなく近くに感じられるはずです。

 

5月14日(金) 川俣高等学校長

人生の岐路に立ち

人が生きるところ、多くの岐路(分かれ道)があります。そして、たとえば、数多くある高校の中から川俣高等学校を選んだことをはじめとして、目的地に向かう交通手段やお昼に食べるものなど、その岐路では何らかの決定が求められ、その決定は、読書などをとおして知り得たことやこれまでの経験、友人からのアドバイスなど、「そのときの自分が持つ一定のルール」に基づき行われます。

3年生となり自らの進路を決めるのは、まさに人生の大きな岐路に立つ瞬間と言えます。その決定をより良きものとするよう、前述した読書や経験、友人に加えて、学びの師である先生方に相談をしてみてください。先生方の体験の下、貴重な意見をいただくことができます。また、先生方の教えをとおして身に着く知識や学校で得た情報もまた、「一定のルール」を一層効果的なものとしてくれます。

本校は、在籍する皆さんの持つ進路目標の実現に向けて、全教職員が一丸となり取り組みます。進路に係る悩みがあれば、全教職員もまた、皆さんとともにその解決策を考えます。川高生の皆さんは、安心して進路実現に向けた学びを進めてください。

5月13日(木) 川俣高等学校長

計算視力

数学の学力向上につながるかどうかは定かではありませんが、少なくとも計算力向上を図る考え方について、奈良市内で大学進学塾を経営する鍵本聡さんは次のように指摘します(「ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか」一部抜粋 一部改訂)。

「数学の中には計算視力というものがある、と思っています。簡単に言えば、問題文や計算式を目で解く力です。たとえば、35×18を筆算すれば、それなりに時間がかかりますが、35×18=35×(2×9)=(35×2)×9と考えれば、70×9なので、すぐに630とわかる。これは、「5の倍数×偶数のときには、偶数の2だけ先に掛ける」というパターンによります。また、228×5であれば、228×(10÷2)=(228÷2)×10として1140という答えを導く。これは、「×5のときには、先に2で割ってから10倍する」というパターンに基づきます。こうしたパターンを覚えれば覚えるほど、数字はいろんな表情を見せてくれるのです。」

川高生諸君も、独自の数字パターンを見つけ、計算視力王を目指してみませんか。

 

5月12日(水) 川俣高等学校長

生徒会総会

本日5月11日(火)6校時には、本校の生徒会総会が行われます。その際に話すことについて、少しだけ早くお知らせします。

随分と昔の話です。アメリカで作られた映画に次のようなものがありました。

主人公がある朝目覚めると、後ろ向きに歩いている人を目にします。その周囲にいる人も皆、後ろ向きに歩いています。車も、そして犬や猫までも後ろ向きに走っています。主人公は、ぼう然としたまま街角に立ち続けます。しかし、しばらくすると、主人公の顔から戸惑いの表情は消え去り、むしろ安心感を漂わせながら、彼もまた後ろ向きに歩き出す、といった内容の映画でした。人はすぐに周囲に流されてしまう、ということを表現したものと思います。確か、その映画のタイトルは、順応を意味するconformityを逆から書いたものであった、と記憶しています。

さて、生徒諸君は皆、生徒会に属しています。周囲の意見に耳を傾けながらも、自らが責任の下、しっかりと考えることをとおして、その組織を一層よりよいものとするよう願います。

 

5月11日(火) 川俣高等学校長

知的好奇心その2

「わかる」部分と、対極にある「わからない」部分を知ろうとすれば、それは、間違いなく大きな飛躍を呼び込む第一歩となります。普通、わからない自分の姿を他者に見られたくはありませんが、でも、自分で思っているほど、他者が物事をわかっている、とは限りません。であれば、ぜひ、勇気を持ってわからない自分をさらけ出し、同時に、わからない部分を知ろうとする気持ちを強く持ってもらいたいのです。1コマの授業で1つでも、今までに知らなかったことを知ることができたら、それはすばらしいこと、これは、令和3年度始業式時に、2年生と3年生に話したことでもあります。各授業で1つずつ、新たな知識を1日に6つも得ることができます。わかろうとする気持ちが大きければ大きいほど、知ったときの喜びもまた大きくなります。わかろうとする歩みを進めていく過程に、何の躊躇も必要としません。授業中に心の中で、「わかった」と叫ぶ川高生諸君に、大いに期待します。

 

5月7日(金) 川俣高等学校長