令和4年度

管鮑の交わり

友人間の信頼関係を表現するときに、「管鮑の交わり」という言葉が使われます。管仲と鮑叔は若い頃に友人となり、特に、鮑叔は管仲を優れた人物として尊敬します。後に斉の国政を担うまでになった管仲は、次のように話します。「かつて私は、鮑叔とともに商売をした。利益を分けるときに、私は自分の分け前を多く取ったのに、鮑叔は私を貪欲とは思わなかった。私が困窮していたのを知っていたからである。かつて私は、鮑叔のために事業を企て失敗したが、鮑叔は私を愚か者とは思わなかった。時に利・不利のあることを知っていたからである。かつて私は、三たび仕えて三たび君(主)から逐(お)われたが、鮑叔は私を無能とは思わなかった。私が時の利に合わなかったことを知っていたからである。かつて私は、三たび戦い三たび敗れて逃げ出したが、鮑叔は私を卑怯とは思わなかった。私に老母のあることを知っていたからである。私を生み育ててくれたのは父母だが、私を知ってくれているのは鮑叔である。」と。さて、生徒の皆さん、皆さんの周囲には、管仲から見た鮑叔のように、皆さんを真に理解してくれる友はいますか。

11月25日(金) 川俣高等学校長