令和4年度

校長より

新たな学び

新年度は、人との新たな出会いのときです。またこの時期は、人から教わったりすることも、人に教えたりすることも多くあります。そして、こうした営みをとおして、自分の考えや人生観など、自らの進む道を再認識する機会でもあります。自分の道を真っすぐに進むことは人生の基本です。そのためにも、イギリスの哲学者ベーコンがいうように、「書を読むことは充実した人を作り、議論をかわすことは覚悟のできた人を作る。」という考えを念頭に置く必要がありそうです。これは、「玉 磨かざれば器を成さず、人 学ばざれば道を知らず。」という考えにも通じます。

4月6日(水) 川俣高等学校長

出口の発想

昔のデパートには1階にトイレがなく、2階以上に設置されていることが多くありました。これは、デパートはお客様に物を提供するところである、という考えの下、使用頻度の高かったトイレの位置をあまり考慮しなかったことによるものと言われています。ちなみに、1階にトイレを設置してみると、多くの客が店に足を運ぶようになり、トイレが人集めの財産であったことがわかりました。昔の東京駅も、必要性の高いトイレについては考えることなく、人を乗せたり降ろしたりする、いわば本来業務を優先して拡張を図ったことにより、トイレの位置がわかりづらくなり、特に外国人の旅行客には不評だったそうです。デパートでいう物を提供することや、駅でいう人の乗り降りなど、本来業務を「入口」とするのであれば、本来業務に付随して存在するトイレは「出口」となります。でも、建築においてもそうであるし、また、文化においても、この「出口」から発想を展開することは重要です。夏に涼しい風を欲するのであれば、まずは木陰を作ってくれる木を植える、また、良き友人を得たいと思うのであれば、まずは心豊かになるためにも本を読む、など、生徒の皆さんも、日常生活の中に、出口の発想を多く取り入れてみませんか。

4月5日(火) 川俣高等学校長

不 安

人は他者からの評価を気にする生物です。いい評価を得た場合には取組の励みにもなりますが、逆の場合には、特に気持ちの落ち込みが大きくなり、モチベーションにも影響が及ぶなど、結果として不安も増します。でも、自然科学には動的平衡という言葉があります。常に動いている(評価の幅が大きい)のに、平均すると平衡状態にある、というこの現象と、日々の取組は類似しています。他者からの評価によっては誰もが感じる不安、その不安を楽しむくらいの気持ちを少しだけでも持てれば、毎日学ぶことで、多くの知識を手に入れることができます。学びから知識を得る、楽しい学問の旅を体験できます。

4月1日(金) 川俣高等学校長

小さな幸福

人が生活を送るとき、喜びとともに、悲しみや苦しみを伴う場面が多くあります。それらを乗り越える力を求められますが、でも、ちょっとした心の拠り所がほしいのも事実です。そんなときには、周囲にある小さな幸福を感じてはみませんか。黒田三郎氏は私たちに、次のような詩を送ってくれています。「秋の空が青く美しいというただそれだけで、何かしら、いいことがありそうな気のする、そんなときはないか。空高く噴き上げては、むなしく地に落ちる噴水の水も、わびしく梢をはなれる落葉さえ、何かしら喜びに踊っているように見える、そんなときが。」

3月30日(水) 川俣高等学校長

個性の伸長

自分の個性を大切にすることは言うまでもありません。作家の水上勉氏は、著書「働くことと生きること」の中で、大工である父親が言った言葉を次のように表現しています。「近頃の大工は、何もかも機械でやるから、機械にかからぬ材料は捨ててしまう。曲がった木は機械にかからん。曲がったものが重宝する場所にも真っすぐな材料で済まそうとするから、建材はすぐに壊れる。山にはそれぞれの事情によって、曲がった木や曲がらぬ木が生えている。曲がった木が悪くて曲がらぬ木がよい、というはずはない」。この言葉、よく理解できますね。

3月29日(火) 川俣高等学校長