令和4年度

校長より

石を敷いた畑

中国甘粛省ではかつて、畑に平たな石を置いていたそうです。日本では石一つも見当たらない状態の畑に、拳程度のかなりの数の黒石があるため、日本人からみると大いに違和感を感じますが、もちろん、それには理由があります。石と石の間には豆がまいてあります。奥地にあるこの地域では、朝晩は急激に冷え込み、畑の表面が凍るほどになるので、日中に温められた石で土を保温する効果があるのだそうです。また、黒い石を活用しているのは、白と比較して熱を吸う率が高いからだそうです。加えて、石は土中の水分蒸発を妨げる働きも兼ねているといいますから、この地域にとっては必須アイテムであったわけです。自分の知識や経験だけを基準にして物事を捉えると、偏りが生じる場合もあります。一旦は固定観念を仕舞い込み、まずは純粋な目で見ようと心がける必要がありそうです。

3月15日(金) 川俣高等学校長